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EXHIBITION 展覧会の構成

第1章 聖宝、醍醐寺を開く

平安時代の貞観16年(874)、天智天皇の流れをくむ聖宝は、東大寺において諸宗を学んだのち、醍醐味の水が湧き出る笠取山を見出し、草庵を結んで准胝・如意輪の両観音菩薩像を安置しました。醍醐寺の始まりです。
その後、醍醐寺は醍醐天皇をはじめ歴代天皇の帰依を受け、笠取山上に薬師堂や五大堂を加えて伽藍(「上醍醐」)を整えながら、その山裾にも伽藍(「下醍醐」)を展開し、開創から数十年のうちに大規模な寺観を備えていきました。
本章ではまず、聖宝の肖像や伝記、縁起をはじめ、醍醐天皇御願として聖宝により造り始められた上醍醐の薬師堂本尊の国宝《薬師如来坐像および両脇侍像》や、日本における如意輪観音像の代表作の一つである重要文化財《如意輪観音坐像》の名品によって、醍醐寺の草創期を概観します。

国宝 薬師如来坐像および両脇侍像 平安時代
国宝 薬師如来および両脇侍像 平安時代
理源大師坐像 吉野右京作 江戸時代 延宝二年(一六七四)
理源大師坐像 吉野右京作 江戸時代 延宝二年(一六七四)
国宝 醍醐寺縁起 江戸時代
国宝 醍醐寺縁起 江戸時代
重要文化財 弘法大師二十五箇条遺告 平安時代
重要文化財 弘法大師二十五箇条遺告(部分) 平安時代

第2章 真言密教を学び、修する

加持祈禱や修法(儀式)などの実践を重視した醍醐寺は、その効験によって多くの天皇や貴族たちの心をとらえました。真言密教の二大流派のうち小野流の拠点となり、多くの僧が集まる根本道場と位置付けられた醍醐寺には、修法の本尊として欠くことのできない彫刻や絵画、修法に用いる仏具、修法の手順や記録などを記した文書や聖教などが蓄積されていきました。今に伝わる寺宝の数々は、千年以上もの間、醍醐寺が人々の願いに応えて修法を続けてきたことを示しています。
本章では、仏像と仏画の名品を中心に、それらが本尊とされた場である修法と合わせてご紹介します。加えて、仏像仏画の研究および設計図ともいえる白描図を展示することで、有機的につながる密教美術の世界観をご覧いただきます。

国宝 閻魔天像 平安時代
国宝 閻魔天像 平安時代
役行者および八大童子像 南北朝〜室町時代
役行者および八大童子像 南北朝〜室町時代
重要文化財 不動明王図像 鳥羽僧正様
重要文化財 不動明王図像 鳥羽僧正様 鎌倉時代
重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(四臂) 鎌倉時代
重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(四臂) 鎌倉時代
 重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(三十六臂) 鎌倉時代
重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(三十六臂) 鎌倉時代
重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(八臂) 鎌倉時代
重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(八臂) 鎌倉時代
大威徳明王
大威徳明王
軍荼利明王
軍荼利明王
不動明王
不動明王
降三世明王
降三世明王
金剛夜叉明王
金剛夜叉明王
大威徳明王軍荼利明王不動明王降三世明王金剛夜叉明王

重要文化財 五大明王像 平安時代

第3章 法脈を伝える─権力との結びつき─

修法が多く行われるようになると、各密教僧の間で異なる修法次第が生まれ、醍醐寺内でもいくつかの法流が形成されました。その中で中心となったのは、第十四代座主の勝覚が創建した醍醐寺三宝院を拠点とする三宝院流です。同院の院主は醍醐寺座主を兼ねることも多く、足利尊氏の政権における賢俊や、足利義満以下三代の将軍に仕えた満済など、彼らが座主として時の為政者から帰依を受けることで、寺は繁栄を遂げてきました。
本章では、法脈を形成した祖師像や、師から弟子へ伝えられる諸尊の修法について編集した記録などによって、法脈の相承を紹介するとともに、天皇や時の為政者の文書・書跡によって、醍醐寺の繁栄の歴史をひもといていきます。

国宝 絵因果経 奈良時代
国宝 絵因果経(部分) 奈良時代
国宝 理性院祖師像 南北朝時代
国宝 理性院祖師像 南北朝時代
国宝 後冷泉天皇綸旨 平安時代
国宝 後冷泉天皇綸旨 平安時代
国宝 崇徳天皇綸旨 平安時代
国宝 崇徳天皇綸旨 平安時代
重要文化財 理趣経 足利尊氏筆 南北朝時代 延文二年(一三五七)
重要文化財 理趣経 足利尊氏筆 南北朝時代 延文二年(一三五七)

第4章 義演、醍醐寺を再びおこす

16世紀末に第八十代座主となった義演(1558〜1626)は、豊臣秀吉などからの保護を受け、戦乱により荒廃した伽藍の復興整備を進めました。秀吉最晩年の慶長3年(1598)春に催された「醍醐の花見」は、安土桃山時代の華麗な文化を象徴的に表すできごととして広く知られます。また義演は、醍醐寺伝来の厖大な古文書・聖教の書写整理を行いました。『義演准后日記』には、近世初期の変革期の京都において、義演と醍醐寺が重要な役割を果たしていたことが克明に記されています。
本章では、秀吉による醍醐の花見に関連する作例から、慶長年間に移築、造営された三宝院障壁画の金銀に彩られた襖絵、俵屋宗達をはじめとする諸流派の絵師が描いた絵画など、当時の醍醐寺の繁栄を伝える華やかな美術をご紹介します。

  • 豊臣秀吉像 江戸時代
    豊臣秀吉像 江戸時代
  • 金天目・金天目台 安土桃山時代
    金天目・金天目台 安土桃山時代
重要文化財 醍醐花見短冊 安土桃山時代 慶長三年(一五九八)
  • 重要文化財 扇面散図屛風 俵屋宗達筆 江戸時代
  • 重要文化財 扇面散図屛風 俵屋宗達筆 江戸時代

重要文化財 扇面散図屛風 俵屋宗達筆 江戸時代

松檜群鴉図屛風 江戸時代
松檜群鴉図屛風 江戸時代
松檜群鴉図屛風 江戸時代
松檜群鴉図屛風 江戸時代

【画像提供】奈良国立博物館

● 国宝 醍醐寺縁起 江戸時代(撮影:佐々木香輔) ● 重要文化財 如意輪観音坐像 平安時代(撮影:森村欣司) ● 国宝 薬師如来坐像および両脇侍像 平安時代(撮影:佐々木香輔) ● 国宝 閻魔天像 平安時代(撮影:佐々木香輔) ● 重要文化財 不動明王図像 鳥羽僧正様 鎌倉時代(撮影:佐々木香輔) ● 重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(八臂) 鎌倉時代(撮影:佐々木香輔) ● 重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(三十六臂) 鎌倉時代(撮影:佐々木香輔) ● 重要文化財 太元帥法本尊像 太元帥明王像(四臂) 鎌倉時代(撮影:佐々木香輔) ● 国宝 崇徳天皇綸旨 平安時代(撮影:佐々木香輔) ● 重要文化財 理趣経 足利尊氏筆 南北朝時代 延文二年(一三五七)(撮影:佐々木香輔) ● 豊臣秀吉像 江戸時代(撮影:佐々木香輔) ● 金天目・金天目台 安土桃山時代(撮影:佐々木香輔) ● 重要文化財 扇面散図屛風 俵屋宗達筆 江戸時代(撮影:佐々木香輔)


【画像提供】九州国立博物館

● 役行者および八大童子像 南北朝〜室町時代(撮影:落合晴彦) ● 国宝 理性院祖師像 南北朝時代(撮影:落合晴彦)


【画像提供】醍醐寺

● 理源大師坐像 吉野右京作 江戸時代 延宝二年(一六七四) ● 重要文化財 弘法大師二十五箇条遺告 平安時代 ● 重要文化財 五大明王像 平安時代 ● 国宝 後冷泉天皇綸旨 平安時代 ● 重要文化財 醍醐花見短冊 安土桃山時代 慶長三年(一五九八) ● 松檜群鴉図屛風 江戸時代